接ぎ木クリップに関するご質問

接ぎ木クリップとは何ですか?どういった作業で使用しますか?

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接ぎ木クリップは、連作障害を防ぐために「穂木(ほぎ)」と「台木(だいぎ)」を接合する作業=接ぎ木の際に使用する資材です。たとえば、トマトやナスなどの野菜を同じ圃場で何年も続けて栽培すると、土壌中に病害が蓄積しやすく、いわゆる「連作障害」が起きる可能性があります。これを回避するために、病気に強い台木と、おいしい実をつける穂木を組み合わせて、新しい苗をつくる「接ぎ木」が行われます。接ぎ木クリップは、その接合部をしっかりと固定し、活着(くっつくこと)を促すために欠かせないアイテムです。クリップの形状やサイズによって、茎を傷つけず、かつズレずに装着できるよう設計されており、活着率や作業効率に大きく影響します。育苗会社や農家の現場では、接ぎ木クリップは接ぎ木作業の成否を左右する非常に重要な農業資材として使用されています。

接ぎ木クリップのサイズ選びの基準はありますか?

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接ぎ木の成功には、「穂木と台木の密着性」が非常に重要です。緩すぎると接ぎ木できません。かといってきつすぎてもオススメしません。適正なサイズの接ぎ木クリップを選ぶことで、活着率や作業効率の向上に直結します。ナスニックスの接ぎ木クリップは、作業ミスが減り、スピードが大幅にアップします。また、ラッパ状の挿入口があることで、茎を傷つけずにスムーズに差し込むことが可能です。さらに内部の溝構造により、接合部がズレにくく、汁液が排出されやすいため、活着環境が整いやすくなっています。

接ぎ木クリップの種類や特徴はありますか?

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弊社元祖接ぎ木クリップ製品として、「スーパーウィズ」、「スーパーアイドル」、「絆」という3つの主要なシリーズがあります。「スーパーウィズ」、「絆」はナス科、「スーパーアイドル」はウリ科に使用する接ぎ木クリップになります。使用目的や作業環境に応じた使い分けが重要です。すべて高品質な接ぎ木クリップですが、それぞれ「活着率重視」「作業性重視」「総合力重視」などに特化しており、目的やサイズに応じて使い分けることができます。

接ぎ木クリップの取り付け時に注意すべきポイントはありますか?

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接ぎ木クリップを取り付ける際に最も大切なのは、穂木と台木の形成層を正確に密着させることです。切断面がズレていると活着せず、苗の成長に悪影響を与えるため、切り口は一度で真っ直ぐ滑らかに切ることが基本です。次に重要なのは、適正なクリップのサイズを選ぶこと。小さすぎると茎を傷つけ、大きすぎると固定が甘くなります。苗の太さに合った号数を選び、一度で正確に装着することがポイントです。また、装着後にクリップを何度も動かすのは避けましょう。形成層の密着が崩れてしまい、活着率が下がるからです。こうした基本的な注意点を守ることで、接ぎ木の成功率は大きく向上します。

接ぎ木クリップを再利用できますか?

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成長した苗から自然に外れた接ぎ木クリップは、すでに使用時の形状や弾力性が失われており、再び正しく機能させることは困難です。特に、接ぎ木クリップは苗の成長に伴って広がるため、取り外された時点で本来の固定力や形状を保っていないケースがほとんどです。また、接ぎ木クリップは穂木と台木の接合部に直接触れる資材であるため、植物の汁液や病原菌、ウイルスなどが付着している可能性があります。これを洗浄・消毒せずに再利用した場合、次の苗に病気を媒介する危険性が非常に高くなります。さらに、素材の劣化や変形によって接合部がしっかり密着せず、形成層が結合しないまま活着に失敗するリスクも高まります。たとえ見た目に異常がなくても、樹脂素材は内部から劣化が進行している場合があり、再使用によって苗の品質を損なうことがあります。これらの理由から、特に病気の発生履歴がある圃場や、高い品質が求められる育苗会社では、衛生管理と活着率の安定性を最優先し、接ぎ木クリップの再利用は行っておりません。

誘引クリップに関するご質問

誘引クリップとはどんな資材ですか?どんな作物に使えますか?

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誘引クリップは、トマトやキュウリなどの果菜類の茎を固定し、倒伏や枝折れを防ぐための資材です。ナスニックスの元祖誘引クリップ「つりっ子」は、農家さんの労力を削減するために開発された製品です。茎をしっかり支えつつ、作物が自然に上へ伸びるよう誘導できるよう設計されています。特に、果房が重くなるトマトや、キュウリの栽培に最適です。耐久性にとても優れ、高温多湿のハウス内でも破損しにくく、長期間安定して使用できます。誰でも使いやすく、現場の作業負担を大きく軽減できる資材です。

誘引クリップ「つりっ子」の設置方法を教えてください。

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「つりっ子」は、誘引紐と作物の茎を一緒に挟んで固定するだけの簡単な構造です。作物がまっすぐ上へ伸びるよう、茎を支える位置に取り付けてください。設置の際は、まず番線に設置した誘引紐を株元までばしておきます。誘引紐を茎に寄せ、「つりっ子」で茎と紐を一緒に挟み込みます。茎を傷つけないように軽く固定するのがポイントです。トマトやキュウリなどは果房が重くなりやすいため、適切な高さで複数箇所に取り付けることで倒伏や枝折れを防ぎ、整枝や収穫作業もスムーズになります。誰でも簡単に使えるため、作業効率の向上にもつながります。

誘引クリップはどの段階で取り付ければいいですか?

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誘引クリップは、小さい苗の段階から早めに取り付けることで、茎の曲がりや倒伏を防ぎ、まっすぐに育てることができます。特にトマトやキュウリなどは、初期の茎が柔らかいため、早期の誘引が効果的です。あらかじめ支えを入れておくことで、その後の整枝や管理作業もスムーズになります。また、生長点(苗の一番上の新芽付近)は特に倒れやすいため、「トップリング」で上部をやさしく支えておくと安定し、次の誘引までの間もしっかり保持できます。誘引クリップとトップリングを併用することで、苗全体をバランスよく支えることができ、作業時間の短縮と、健やかな生育環境の確保につながります。

誘引クリップは何度も使えますか?破損しませんか?

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はい、ナスニックスの誘引クリップ「つりっ子」は、繰り返し使用できる高耐久設計です。長期間の使用や高温多湿なハウス環境でも劣化しにくい素材を採用しており、複数回の取り外しや再利用にも十分に耐えられるよう作られています。また、一般的な誘引クリップと比べて強度が非常に高く、割れにくく、変形しにくいという大きな特長があります。そのため、何年にもわたって複数作期で繰り返し使用することが可能です。多くの農家様からも、「驚くほど長く使えて経済的」と高い評価をいただいています。

誘引クリップの種類は1種類だけですか?違いはありますか?

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ナスニックスの誘引クリップ「つりっ子」には、用途や作物の種類・茎の太さに合わせて選べる5つのタイプがあり、それぞれに違いがあります。「つりっ子 トマト」は、トマト専用に設計された標準モデルで、果房の重みによる倒伏を防ぎながら、しっかりと茎を支える構造になっています。トマトの茎にフィットする口径19mm前となっており、作業しやすいバネ強度が特長です。一方、「つりっ子 キュウリ」は、キュウリ専用に開発されており(ミニトマトにも使用できます)、より細い茎に対応できる設計です。キュウリが斜めに倒れるのを防ぎ、栽培空間を効率的に保ちます。「つりっ子 Jr.」は、19.5mmの口径を持ち、太くなった茎にも負担をかけない設計となっており、さまざまな生育段階に対応できます。さらに、「つりっ子 L24」には2種類あります。ひとつは標準的なバネの「L24レギュラー」で、口径24mmと大きめのサイズのため、長段取りしたとても太い茎にも対応できます。もうひとつは「L24ハード」で、同じサイズながらバネが強く、よりしっかりと固定したい場合に適しています。このように、「つりっ子」シリーズは作物の種類、茎の太さ、栽培環境に応じて最適なタイプを選べるよう豊富なバリエーションが用意されています。それぞれの違いを理解し、適切に使い分けることで、誘引作業の効率や作物の健全な生育に大きく貢献します。

【育苗支柱に関するご質問】

育苗用支柱“たちんぼ”とは何ですか?どんな用途に使いますか?

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ナスニックスの育苗用支柱“たちんぼ”は、接ぎ木苗や倒れやすい幼苗をやさしく支えるために開発された支柱です。“たちんぼ”は、根が十分に表土になじむ前の幼苗期において、水やりや運搬、小さな揺れだけでも倒れてしまう不安定な状態を補強します。根が浅い状態では、茎がわずかな振動や水圧で倒れやすく、接合部が土に触れることで立枯病や根腐れといった病害のリスクが高まり、生育不良につながることが知られています。使用方法はとても簡単で、苗の株元近くにワンタッチで装着するだけ。“たちんぼ”の適度なしなりが、風や水圧などの外力を吸収しながら茎をまっすぐに保ちます。これにより、光合成効率や根の活着が促進され、苗の品質向上や出荷率の安定に貢献します。さらに、苗がある程度成長した段階では、オプションの「たちんぼスティック」を取り付けることで、支柱の全長を11cmから21cmへと延長することが可能です。これにより、背丈のある苗にもそのまま対応できる柔軟性を備えています。

育苗支柱の設置タイミングや方法は?

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育苗支柱「たちんぼ」は、接ぎ木後すぐ、または発芽後の幼苗が自立できない初期段階で設置するのが最適です。方法は、苗の株元に支柱の先端をまっすぐ差し込むだけのワンタッチ式で、特別な工具や結束は不要です。注意点として、根を傷付けないことです。苗の根がまだ浅く、少しの振動や水やりでも倒れやすい時期に、苗が傾いたり、接合部が培土に触れて病気の原因になるのを防ぐために支柱を設置します。特に接ぎ木苗の場合、活着直後の茎が不安定な時期に設置することで、立ち枯れや根腐れのリスクを軽減できます。設置は簡単で、植わった苗の横に「たちんぼ」をまっすぐ差し込み、茎に軽く添えるようにして固定します。力を入れて押し込む必要はなく、しなやかな支柱の弾性で茎をやさしく支える構造になっています。苗が成長して支柱が短く感じられるようになったら、オプションの「たちんぼスティック」を装着することで延長も可能です。これにより、生育ステージの変化にも柔軟に対応できます。

育苗支柱と誘引クリップを併用できますか?

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はい、育苗支柱「たちんぼ」と誘引クリップ「つりっ子」は、併用することでより高い効果を発揮します。「たちんぼ」は、接ぎ木直後の苗が根張りするまでの間、少しの揺れや水やりでも倒れてしまうような不安定な時期に、茎をやさしく支えて立ち姿勢を安定させるための支柱です。一方、「つりっ子」は、苗がある程度成長してきた段階で、茎と誘引紐をしっかり固定し、倒伏や枝折れを防ぐためのクリップです。この2つを組み合わせることで、育苗の初期から中後期まで、苗を段階的に支えることが可能になります。「たちんぼ」によって苗の根元が安定すれば、誘引クリップの取り付け位置もぶれにくくなり、より正確で安全な誘引が行えます。また、茎が斜めに伸びてしまうリスクや、接合部が培土に触れて病気を誘発するような事態も避けやすくなります。実際、支柱と誘引クリップの併用によって、活着率や整枝のしやすさが向上し、作業効率と苗の品質向上に大きく貢献したとの声を多くいただいております。このように、両者を併用することは理にかなっており、現場での実践的な選択肢として高く評価されています。

育苗支柱「たちんぼ」は接ぎ木苗以外にも使用できますか?

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はい、ナスニックスの育苗支柱「たちんぼ」は、接ぎ木苗以外にも幅広く使用できます。育苗支柱「たちんぼ」は、苗が根を十分に張る前の幼苗期から使える支柱で、育苗ポットやトレーで育てる苗にも効果的です。特に、光の方向や密植の影響で茎が傾きやすいトマト・ナス・キュウリなどの果菜類に適しており、幼苗の湾曲を防いでまっすぐ育てるサポートをします。さらに、潅水時の水圧や搬送中の揺れによる倒伏も防止できるため、「潅水に強い苗づくり」の必需品として、施設園芸を中心に広く活用されています。接ぎ木苗に限らず、一般的な野菜苗や花の苗にも使用できるため、苗の品質保持や育苗作業の省力化に役立つ資材として高く評価されています。

湿度や温度による変形・劣化の心配はありますか?

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ナスニックスの育苗支柱「たちんぼ」は、温湿度の変化による変形や劣化を防ぐよう設計されています。素材には耐候性の高い樹脂を採用しており、一般的なハウス栽培環境では、割れや歪みの心配はほとんどありません。紫外線や高温多湿にも強く、灌水や加温を繰り返す育苗現場でも、安定した性能を保ちます。その耐久性の高さから、「たちんぼ」は多くの育苗会社やプロ農家に長年にわたり愛用されています。

ご購入・配送・その他のご質問

製品は1個から購入できますか?最小ロットはありますか?

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製品は1個単位では販売しておらず、製品ごとに最小ロットでの販売となります。ナスニックスの各種製品(接ぎ木クリップ、誘引クリップ、育苗支柱など)は、それぞれ袋単位やケース単位といった数量が定められたロット販売とさせていただいております。たとえば、「接ぎ木クリップ スーパーウィズ」は200個入り、1,000個入り、6,000個入り(ケース)など、規模に応じて選べるパッケージ構成となっています。そのため「1個だけ試したい」といったご要望には、サンプルの提供を行っております。ご希望の場合は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

送料や配送方法について教えてください。

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商品の配送は、基本的に佐川急便にてお届けしております。送料はご注文内容により異なりますが、ケース単位の商品は全国送料無料となっております。なお、配送は日本国内のみ対応しており、海外発送は行っておりません。

注文後、どのくらいで届きますか?

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ご注文後の商品発送は、通常、ご注文確定の翌営業日から2~3営業日以内に行っております(特別な事情がない限り即日発送)。配送は佐川急便にて行い、地域によりますが、発送日から1~3日ほどでのお届けとなります(離島など一部地域を除く)。なお、ご注文内容や在庫状況により発送が前後する場合がございます。納期に関するご希望がある場合は、お早めにご相談ください。

大量購入する場合、見積りや相談は可能ですか?

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はい、大量購入をご検討のお客様には、個別のお見積りやご相談を承っております。ナスニックスでは、育苗を専門とされる事業者様や、広く運営されている農業法人様向けに、納期や配送方法などを含めた柔軟な対応を行っております。大量注文や継続的なご購入をお考えの場合は、お気軽にお問い合わせフォームまたはお電話にてご相談ください。ご希望に沿ったご提案を迅速にご案内いたします。

実際に使ってみたいのですが、サンプル提供はありますか?

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はい、ナスニックスでは製品の導入をご検討中のお客様に向けて、サンプルのご提供を行っております。初めてご利用いただく方や、どの製品が最適かを実際に試してから決めたいというお客様の声にお応えし、主要な製品については一部サンプル提供が可能です。特に「接ぎ木クリップ」「誘引クリップ」「育苗支柱」などは、作物や作業環境に応じて相性を確かめていただけます。ご希望の方は、お問い合わせフォームまたはお電話にてお気軽にご連絡ください。用途や条件をお伺いしたうえで、最適なサンプルをご案内させていただきます。